[農薬] ブログ村キーワード
20世紀は戦後の急速な経済発展と、それに伴い様々な環境問題が噴出した時代でした。
4大公害病などの被害が社会問題となり、公害問題に対する法律が整備された時代でもあります。
ドラマ「官僚たちの夏」第6話では1958年に本州製紙(現・王子製紙)が千葉県浦安市でひきおこした本州製紙工場事件という実話をベースに、産業発展の副産物として日本中で問題化し始めた公害問題を描いています。
この事件は
江戸川漁業被害としても知られ、本州製紙江戸川工場の悪水放流により被害を受けた浦安の漁民が同工場に乱入して起きた大乱闘事件です。
この事件をはじめとする各地の公害問題が、戦後の経済一辺倒の行政に対する警鐘と反省の口火となると同時に1950年代初期から問題となっていた水俣病及びイタイイタイ病への対策として"公共用水域の水質の保全に関する法律(水質保全法)"、"工場排水等の規制に関する法律(工場排水規制法)"が制定される動きにもつながり、
その後これらの排水規制を全般的に強化して昭和45年(1970年)制定の"水質汚濁防止法"が生まれました。
ドラマ「官僚たちの夏」からも、戦後の経済発展一辺倒だった行政が公害問題が社会問題化する中で、世論に動かされて環境問題へ取り組み始める様子が伝わります。
同時に昔から政治家や官僚の権力争い、省庁間の醜い権益争いが、経済だけでなく環境問題への対応についても大きく影響している構図もよく伝わります。
今も環境政策に関して、国内経済重視の経産省と環境省では往々にしてぶつかり、ばらばらの動きをしていますからね〜・・・・
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さてさて、公害は過去のものと思ったら大間違いでした〜
21世紀にもまだまだ健在です。。。
日経のニュースによると、今年、海岸や山間地の松枯れ対策や害虫駆除のためにヘリコプター等による農薬の空中散布を行った自治体は27県にものぼりました。
空中から神経毒である有機リンなどを含む農薬をまけば、生活にもなんらかの問題が生じるのではないかと容易に想像できます。
出雲市は農薬と健康被害報告の「因果関係は未解明だが、安全が確認できない」と今後10年間散布を取りやめ、松江市や山口市も続いた。全国各地で同様の被害があり、専門家は「農薬には刺激性があり散布を控えるべきだ」と指摘。 一方で続ける自治体もあり、判断が揺れている様子です。
<農薬の空中散布との因果関係が強く疑われている事例>
・昨年5月、島根県出雲市で、松枯れ対策のため農薬を空中散布した後、登校した児童や生徒が目のかゆみや頭痛を訴え、被害は大人を含め1000人を超えた。
・浜松市では2005年5月の散布後、住民35人が体の異常を感じたと市民団体の調査に答えた。
・長野県上田市の昨年9月の散布でも、散布域に近いほど頭やのどの痛みを訴える人が多いとの調査結果が出た。
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農業における農薬使用に関しては、低農薬栽培、無農薬栽培、有機栽培(オーガニック)など、生活者が農産物を買う際により自然で体や環境によい選択肢が広がりつつありますが、海岸や山間地での空中からの農薬散布に対しては、周辺住民に避ける選択肢はありません。
各自治体行政の判断により、健康被害、環境汚染に対するしっかりした調査もないまま農薬の空散布が行われています。
まずは私たち住民が情報を持ち、自分達で考え、共に行動することから始めましょう。
できることは限られますが、選挙への参加も行動のひとつです!
PEACE
Love&Green, John
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